〔自然の正体を探る〕
森にはほかの植物や動物の動きに反応して自分や仲間をまもるという不思議な力が
あるとは昔からも言い伝えられています。いまではこれはアレロパシーとよばれ
山で英気を養うフィトンチッド(ロシア語 日本では森林浴)もそのひとつとされ
ています。
特徴はその香りで、樹木が蓄えているエチレン、フェノール、 テルペンなど
の揮発性物質です。そのほかの成分として窒素、アミノ酸、成長調節物質ホルモン)、
酵素などがあり、リン酸、 カリ、亜鉛、鉄といった無機物質も関係します。
植物はこれらの物質で発達させたエミシターという機能によって、接近者が敵か
見方かを判別すると、それを仲間に告げるとともに自分は防備にとりかかります。
表面では動かざること山の如しですが、非親和の相手に対しては体内に活性酸素
やカフェイン、ニコチンといったものをカッカと生成して虫や菌との戦いに望む
のです。

アレロパシー成分の代表としてヒノキチオールがあります。名前からヒノキと
思われがちですが、実はヒバ、とくに青森ヒバにはそれらの10倍もの成分が
含まれているのです。1936年に東北大学の副島教授によって青森ヒバから発見
されたのですが同年に同じく研究を進めていたスエーデンで発表があり、
教授の功績は称えられはしたものの、日本初のノーベル賞は遠くスエーデン
にとどまったのでした。
その後も結核治療に向けてヒノキチオールの研究は進められましたが、やがて
英雄チャーチルを救ったという逸話とともに登場した抗生物質の登場によって
ひそめることになりました。ふたたび脚光を浴びたのは、院内感染や、大腸菌
O-157によって耐性菌の恐ろしさが知られるようになってからでした。
現在ヒノキチオールは病院や療養所の寝具のほか、細胞を丈夫にし、衛生に
よいということから歯磨き、養毛剤、入浴剤といった身近なところまで使わ
れています。
この利用は現在減農薬や無農薬栽培に向けられていますが、その効果は抗菌
成分の作用より、植物の自律活性化からえられると考えられます。
お茶もださずにすみません

それとも

|